介護職の「カンファレンス」を意味のある時間にする司会進行術|介護課長が教えるファシリテーション

司会進行する介護士

 ※この記事にはプロモーションが含まれます。

 「今日のカンファレンス、結局何が決まったんだっけ?」

 「あの人がずっと喋っていて、時間が過ぎてしまった…」

 忙しい業務の手を止めて集まったのに、徒労感だけが残る会議。そんな経験はありませんか?

 私も新米リーダーの頃は、沈黙が怖くて自分ばかり喋ってしまったり、話が脱線して時間切れになったりと、失敗の連続でした。

 しかし、司会進行(ファシリテーション)は、才能ではなく「技術」です。

 この記事では、あなたのチームのカンファレンスを、ただの報告会から「未来を決める建設的な場」へと変えるための、準備と進行の具体的なテクニックを解説します。

目次

ダメなカンファレンスの3つの特徴

会議に参加する介護士

 改善のためには、まず「何がダメなのか」を知る必要があります。

 生産性のない会議には、共通する3つの特徴があります。

特徴①:ゴール(目的)が不明確

 「とりあえず集まること」が目的化してしまい「今日、何を決定するのか」というゴールが共有されていないケースです。

 これでは、議論はどこにも向かわず、ただの井戸端会議で終わってしまいます。

  • 咽せが多い利用者様がいる:水分にはとろみをつけて提供するor言語聴覚士などの専門職へ依頼
  • 日勤が就業時間までに終わらない:早番や遅番への業務の振り分け

 上記のように、挙がるであろう議題に対して、予めゴールを見定めて会議に臨むことで、場はスムーズに進行します。

特徴②:発信者が偏り、沈黙が支配する

 声の大きい特定の職員や、職位の高い人だけが喋り続け、他のメンバーはただ頷くだけ。

 これでは、多職種が集まる意味がありません。

 多様な視点が出ない会議は、リスクの見落としに繋がります。

 新人や他の職員へのスポットを当てることを意識することで、意見の幅は広がります。

特徴③:決定事項がない「ただの報告会」

 「Aさんは最近こうです」Bさんはこうでした」と、事実の報告だけで終わってしまうパターンです。

 情報は共有できても「じゃあ、明日からどうケアするのか」という具体的なアクションプランが決まらなければ、現場は変わりません。

【準備編】アジェンダの作成と事前共有の重要性

資料の準備をする介護士

 有意義なカンファレンスの9割は「準備」で決まります。

 当日の進行よりも、事前の段取りこそが重要なのです。

「アジェンダ」は会議の羅針盤

 必ず事前に「アジェンダ(進行表)を作成しましょう。

 記載すべきは、以下の3点です。

  1. 議題:何を話し合うのか(例:A様の入浴拒否への対応について)
  2. 時間配分:各議題に何分使うか(例:現状報告5分、対策検討15分)
  3. ゴール(決定事項):どうなれば会議終了か(例:具体的な対応策を2つ決定する)

 この羅針盤があるだけで、話が脱線しても「今は〇〇の時間ですよ」と、元に戻すことができます。

資料の事前共有で「考える時間」を作る

 当日に資料を配って「読んでください」では、読むだけで時間が過ぎてしまいます。

 資料やアジェンダは可能な限り前日までに配布し「A様の件について意見を考えておいてください」と伝えておくこと。

 これだけで、当日の議論の質とスピードは劇的に向上します。

【実践編】ファシリテーションの3つの技術

会議を進行する介護士

 いざ会議が始まったら、司会者であるあなたの出番です。

 場を回すための3つの技術を使いこなしましょう。

技術①:全員から意見を引き出す「問いかけ」

 沈黙が続く時は、全体に問いかけるのではなく「〇〇さん、普段の入浴介助の様子で気になることはありますか?」と、具体的に指名して質問します。

 また、発言が偏る場合は「現場の視点からはどうでしょう?若手の意見も聞かせてください」と、あえて視点を変えるパスを出すことで、全員参加を促します。

技術②:話をまとめ、決定に導く「要約」

 意見が出尽くしたら、それを放置せず「つまり、今の意見は〇〇ということでよろしいでしょうか?」とこまめに要約します。

 そして最後に「では、明日からは〇〇という対応で統一しましょう」と、決定事項を明確に言葉にして確認します。

 ホワイトボードを使って、意見を可視化するのも非常に効果的です。

技術③:ダラダラさせない鉄の「時間管理」

 時間は有限です。

 話が盛り上がっていても、終了時間が近づいたら「あと5分です。結論をまとめましょう」と、非情に時間を区切る勇気を持ってください。

 時間通りに終わることは、参加者の時間を尊重することであり、司会者への信頼に繋がります。

多職種カンファレンスで介護職が果たすべき役割

利用者を支える介護士

 医師や看護師も参加する会議では、介護職は萎縮してしまいがちです。

 しかし、そこであなたの役割は明確です。

「生活の代弁者」として胸を張る

 医療職は「病気」を見ますが、私たちは「生活」を見ています。

 「医学的にはこうすべき」という意見が出ても、それが本人様の生活の楽しみを奪うものであれば「本人様は〇〇を楽しみにされています。それを残す方法はありませんか?」と、生活の視点から発言する。

 それこそが、介護職が会議に参加する最大の意義です。

ファシリテーション能力を磨くための自己投資

本を読む介護士

 司会進行のスキルは、リーダーシップそのものです。

 この能力を磨くことは、あなたのキャリアを大きく飛躍させます。

会議術を学ぶための一冊

 私が会議の進め方に悩んでいた時期、ボロボロになるまで読んでいたのが『世界で一番やさしい会議の教科書』です。

 ファシリテーションの基礎が物語形式で分かりやすく解説されており、介護現場でも即実践できるノウハウが詰まっています。

良い会議ができる職場を選ぶ

 もし、あなたがどれだけ頑張って準備しても、上司がちゃぶ台返しをしたり、誰も意見を言おうとしない雰囲気が蔓延している職場なら、あなたのスキルは宝の持ち腐れです。

 風通しが良く、活発なカンファレンスが行われている職場は、必ず存在します。

 介護専門の転職エージェントに相談し「チームケアが機能している職場」「職員の意見を大切にする施設」を探してみることも、プロとして働くための重要な選択肢です。

まとめ:司会が変われば、チームが変わり、ケアが変わる

仲間と会議をする介護士

 たかが会議、されど会議。

 カンファレンスの質が変われば、チームの意思統一が図られ、それは必ず利用者様へのケアの質の苦情となって現れます。

 あなたの司会進行が、チームを一つにし、利用者様の笑顔を作る。

 その重要な役割を、自信を持って担ってください。

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