※この記事にはプロモーションが含まれます。
申し送りで飛び交う、知らない言葉の数々…
「AさんのADLが低下」「BPSDの出現に注意して」と言われても、何のことか分からず、不安になった経験はありませんか?
介護現場には、医療・介護保険制度に由来する多くの専門用語や、業務を効率化するための略語が存在します。
これらを理解することは、質の高いケアを提供し、チームの一員として機能するための第一歩です。
この記事では、私が15年間、これらの言葉を使い、そして何人もの新人に教えてきた経験から、最低限これだけは押さえておきたいという必須用語を厳選し、その意味と現場での使われ方を分かりやすく解説します。
介護現場でよく使う専門用語・略語30選

聞いたことがあるものから、無いものまであるとは思います。
施設によっては使用していないというものもありますが、比較的使われている頻度が多いと思うものを挙げました。
どれも覚えておいて損はないものですので、是非覚えておきましょう。
ケアの土台となる最重要ワード(5選)
全てのケアの根底にある、最も重要な考え方と指標です。
- QOL(生活の質)その人らしい、満足度の高い生活を送れているかを測る考え方。ケアの最終目標です。
- ADL(日常生活動作)食事、入浴、排泄、着替え、移動など、生きていく上で基本的な動作。
- IADL(手段的日常生活動作)買い物、洗濯、電話、服薬管理など、ADLより複雑な、社会生活に必要な応用的な動作。
- 自立(じりつ)必要な動作を自分自身で行えること。介護は、この「自立」を支援することが目的です(「全介助」がゴールではありません)。
- 尊厳(そんげん)その人がその人らしく、一人の人間として尊重されること。全てのケアの根底にあるべき倫理観です。
利用者様状態を理解する「疾患・症状」の言葉(7選)
チームで正確な情報を共有するために不可欠な、疾患や症状に関する言葉です。
- BPSD(行動・心理症状)認知症の中核症状が原因で二次的に現れる、不安、焦燥、徘徊などの症状。関わり方で改善できる可能性があります。
- 廃用症候群(はいようしょうこうぐん)過度に安静にしすぎることで心身機能が低下した状態。寝たきりの大きな原因です。
- 誤嚥(ごえん) 食べ物や唾液が誤って気管に入ること。窒息や誤嚥性肺炎を引き起こす危険な状態です。
- 褥瘡(じょくそう)いわゆる「床ずれ」のこと。長時間の圧迫で皮膚の血流が悪くなり、組織が壊死してしまう状態です。
- 拘縮(こうしゅく)関節が固まってしまい、動かせる範囲が狭くなった状態。関節を動かさないことで起こります。
- 脱水(だっすい)体内の水分が不足した状態。高齢者は喉の渇きを感じにくく、脱水を起こしやすいため、こまめな水分補給が重要です。
- 便秘(べんぴ)数日間、排便がない状態。腹部の張りや食欲不振に繋がり、QOLを大きく低下させます。
チームで働くための「制度・職種」の言葉(7選)
介護の仕事は多くの専門職とのチームプレーです。
- ケアマネ(介護支援専門員)ケアプラン(介護サービス全体の計画書)を作成する、介護の司令塔。
- サ責(サービス提供責任者)主に訪問介護事業所で、具体的な訪問介護計画を作成し、ヘルパーをまとめるリーダー役。
- 包括(地域包括支援センター)高齢者のための「地域の総合相談窓口」。介護・医療・福祉など様々な相談に応じます。
- 区分(くぶん)「要介護度」や「要支援度」の段階のこと。「区分変更」は要介護度の見直し申請を指します。
- PT(理学療法士)起きる、立つ、歩くといった基本的な動作のリハビリを行う専門職 (Physical Therapist)。
- OT(作業療法士)食事、料理、着替えなど、応用的・社会的な活動のリハビリを行う専門職 (Occupational Therapist)。
- ST(言語聴覚士)話す、聞く、飲み込む(嚥下)といった機能のリハビリを行う専門職 (Speech-Language-Hearing Therapist)。
知っているとスムーズ‼︎現場で飛び交う「略語・隠語」(11選)
日々の申し送りや記録で使われる言葉です。
- 臥床(がしょう)ベッドなどに横になっている状態。
- NBM(エヌビーエム)飲食禁止のこと。ラテン語の”Nil By Mouth”に由来。
- St(エスティー)便のこと。ドイツ語の”Stuhl”(シュトゥール)から。※言語聴覚士のSTとは別物です。
- Dr.コール(ドクターコール)医師に電話で連絡し、指示を仰ぐこと。
- VS(バイタルサイン)「生命の兆候」のこと。体温、血圧、脈拍、呼吸などを指します。
- BP(ビーピー)血圧のこと (Blood Pressure)。
- P / HR(プルス / エイチアール)脈拍のこと (Pulse / Heart Rate)。
- SpO2(エスピーオーツー)経皮的動脈血酸素飽和度のこと。血中の酸素濃度を指します。
- ワマ「ワンモア」の略。「あともう少し手伝って」という意味で使われることがあります。
- グリチルグリセリン浣腸のこと。排便を促すために使います。
- インシデントヒヤリとしたり、ハッとしたりした出来事のこと。重大な事故(アクシデント)には至らなかったものの、その一歩手前の事例を指します。
専門用語を効率的に覚えるための、たった一つのコツ

たくさんの用語が出てきて、頭がパンクしそうになったかもしれません。
しかし、これらを効率的に覚えるための、たった一つで、最も効果的な方法があります。
それは、一冊、ポケットサイズの用語集を手元に置くことです。
分からない言葉が出てくるたびに、その場で引く。そして、その言葉がどんな場面で使われていたかをメモしておくお。
この地道な繰り返しが、知識を最も早く、そして確実に定着させます。
私が新人指導で必ず推薦していたのが、イラストが豊富で、初心者にも分かりやすい『見て覚える!介護福祉士の基本用語集』のような書籍です。
スマートフォンで調べるのも良いですが、手元における一冊の本は、知識を体系的に理解する上で最強の相棒になります。
まとめ:言葉を覚えることは、プロへの第一歩

専門用語を覚えることは、単なる暗記作業ではありません。
それは、利用者様の状態を正確に理解し、チームメンバーと的確に連携し、質の高いケアを提供するための、プロフェッショナルとしての第一歩です。
最後に、専門用語を丁寧に教える文化は、良い職場の証でもあります。
もし、あなたが質問しても「見て覚えろ」と突き放されたり、新人が分からないことを前提としてコミュニケーションがなかったりする職場ならば、あなたの成長は大きく阻害されてしまいます。
あなたの「学びたい」という意欲を尊重し、しっかりと教育してくれる職場はたくさんあります。
キャリアの第一歩で不安を感じたら、介護専門の転職エージェントに相談し、新人教育体制が整った施設について聞いてみるのも良いでしょう。
この記事が、あなたの不安を少しでも解消し、自信を持って現場に立つための一助となれば幸いです。

コメント