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私たちは、利用者様の生活という、最もプライベートな空間で仕事をしています。
その方の身体に触れ、人生に物語に耳を傾け、時には家族様さえ知らない秘密を共有することもあります。
そのことを、一瞬でも忘れたことはありませんか?
管理職として、残念ながら倫理やプライバシーに関する問題に直面し、心を痛めた経験も一度や二度ではありません。
この記事では、介護職という専門職の根幹をなす「倫理観」と「プライバシー保護」について、あなた自身と利用者様、そしてあなたの職場を守るために、絶対に守るべきことを、私の経験からお伝えします。
何故介護職に「高い倫理観」が求められるのか

介護職に求められるのは、単なる介護技術だけではありません。
その土台として、非常に高い倫理観が不可欠です。
「尊厳」を守る、私たちの専門性
私たちの仕事の目的は、利用者様の「尊厳」を守り、その人らしい生活を支えることです。
認知症や身体的な障害により、自身の意思を表明することが難しくなった方に対し、私たちがどう関わるか、その一つひとつの判断の拠り所となるのが、専門職としての倫理観なのです。
信頼関係こそが、質の高いケアの土台
介護の仕事は、利用者様との信頼関係なしには成り立ちません。
そして、その信頼は、私たちが倫理的な行動を積み重ねることでしか得られません。
「この人なら、安心して任せられる」と感じていただけて初めて、私たちは質の高いケアを提供できるのです。
【事例で学ぶ】よくある倫理的ジレンマ

現場では、教科書通りにはいかない「倫理的ジレンマ」に日々直面します。
どちらが絶対的に正しいという答えがない問題に、私たちは向き合い続けなければなりません。
事例①:「自立支援」と「安全確保」の狭間で
例えば、転倒リスクが非常に高いA様が「それでも自分の足でトイレまで歩きたい」と強く願っているとします。
本人様の「自立したい」という意思を尊重して挑戦を見守るべきか、それとも骨折という最悪の事態を避けるために「安全」を優先して車椅子をすすめるべきか。
これは、多くの介護職が頭を悩ませる、典型的な倫理的ジレンマです。
事例②:「家族様の要望」と「本人様の意思」が異なる時
また、家族様から「もう歳なのだから、無理させずに穏やかに過ごさせてほしい」という要望があり、一方で本人様は「またリハビリを頑張って、できることを増やしたい」と話されるケースもあります。
どちらの想いも大切にした。しかし、両立が難しい時、私たちは誰の意思を最優先に考えるべきなのか、非常に難しい判断を迫られます。
利用者様のプライバシーを守るための具体的行動

プライバシー保護は、言葉で言うのは簡単ですが、実践は非常にデリケートです。
ここでは、私が新人に必ず教えていた具体的な行動原則を、いくつかの側面に分けて解説します。
居室や身体に触れる際の「物理的プライバシー」の保護
まず基本中の基本として、利用者様の居室に入る際は、必ずノックをして返事を待つことを徹底してください。
また、排泄や着替えの介助をする際は、必ずカーテンやドアを閉め、他の利用者様の目に触れないように配慮します。
利用者様の私物に許可なく触れたり、整理したりすることも、重大なプライバシー侵害にあたります。
情報を扱う際の「情報・守秘義務」の徹底
休憩室やスタッフ同士の雑談で、特定の利用者様の噂話や悪口を言うのは、専門職として絶対にあってはならない行為です。
介護職には厳格な「守秘義務」があり、業務上知り得た個人情報を、正当な理由なく第三者に漏らすことは法律で禁じられています。
ケア記録などの書類の管理も、情報が外部に漏れないよう、厳重に行わなければなりません。
SNSは要注意‼︎情報漏洩で人生を棒に振らないために

近年、最も問題となっているのが、SNSによる情報漏洩です。
軽い気持ちの投稿が、取り返しのつかない事態を招きます。
「利用者様」が特定できなくてもアウトになるケース
「名前を出さなければ大丈夫」「写真を載せなければバレない」というのは、危険な思い込みです。
「今日、担当の○○さんが面白いことを言っていた」といった、個人名がなくても施設名や状況から個人が特定できてしまう投稿は、全て守秘義務違反です。
利用者様の尊厳を傷つけ、信頼を裏切る行為であることを、肝に銘じてください。
一瞬の投稿が、あなたのキャリアと施設の信頼を破壊する
SNSでの不適切な投稿が発覚した場合、あなた個人が解雇や損害賠償請求の対象になるだけでなく、介護福祉士の資格を失う可能性もあります。
さらに、施設全体の社会的信用を失墜させ、経営に深刻なダメージを与える大問題に発展します。
一瞬の気の緩みが、あなたと、あなたの周りの全てを破壊するのです。
倫理観を磨き、プロとして成長し続けるために

高い倫理観は、日々の意識と学びによって磨かれます。
時には立ち止まり、自分の行動を客観的に見つめ直すことも必要です。
私が新人指導の際に、必ず読ませていたのが『介護職のための倫理と尊厳』のような専門書です。
具体的な事例を通して、日々のケアに潜む倫理的課題を考える良いきっかけになります。
倫理観の高い「ホワイトな職場」を選ぶことの重要性

最後に。
あなたの倫理観がどれほど高くても、職場全体の意識が低ければ、あなたは疲弊し、最悪の場合、不適切なケアに加担させられてしまう危険すらあります。
スタッフのプライバシー研修を定期的に実施しているか、倫理的な課題をチームで話し合える文化があるか。
これらは、給与以上に重要な「ホワイトな職場」の指標です。
今の職場に少しでも不安を感じるなら、介護専門の転職エージェントに相談し、コンプライアンス意識の高い優良法人について情報を得ることを強くおすすめします。
あなたの専門職としてのキャリアを守るための、最も重要な選択です。
まとめ:倫理とプライバシー保護は、介護職の「誇り」そのものである

倫理を守り、ブライバシーを保護することは、単にトラブルを避けるためのルールではありません。
それは、私たちの仕事が、人の「尊厳」を支える専門職であることの証であり、社会から信頼を得るための土台です。
この「誇り」を胸に、日々のケアにあたってほしいと、心から願っています。

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